フィルム総合カタログ2020年
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ダイオキシン問題と軟質塩化ビニル製品環境ホルモン問題と軟質塩化ビニル製品ダイオキシン生成に必要な塩素は燃焼環境中に常に存在しており、焼却条件によっては何を燃やしてもダイオキシンを発生させる可能性があります。ダイオキシンの発生量は、焼却設備、焼却条件によって変化することが知られています。適切な設備で、適切な条件(燃焼ガス温度800℃以上で2秒以上滞留、その後200℃以下に急速冷却することなど)で焼却することにより発生を最小限に抑えることができるため、特定の物質の焼却が、ダイオキシンの発生を左右することはないと考えられます。なお、焼却由来のダイオキシン発生量は、ダイオキシン類対策特別措置法の施行に伴い、ここ数年急速に減少しています。<日本プラスチック工業連盟「安全性についてのQ&A」より抜粋>いわゆる環境ホルモンとは、正しくは「内分泌かく乱化学物質」といい、「内分泌系に影響を及ぼすことにより、生体に障害や有害な影響を引き起こす外因性の化学物質」とする政府見解がとりまとめられています(2003年5月)。軟質塩化ビニル製品に使用される代表的な可塑剤であるDEHPを含む各種のフタル酸エステル類は、政府が行った試験により、内分泌かく乱作用の懸念は否定されています。また、環境には、ヒトや動物由来のホルモンが検出されており、それらは環境ホルモンとして疑われた物質とは比べものにならないほど強い作用力を有することが判っています。 アアキキレレススフフィィルルムムなるなるほどほど豆 豆 知 知 識識ダイオキシン類には200種類以上の種類があり、毒性があるのはその内の1割程度です。毒性の程度も種類によって大幅に異なっていますが、中には微量でも強い毒性を持つ種類も存在します。●ダイオキシンかつて、一部のフタル酸エステルが試験管レベルで極く弱い女性ホルモン(エストロジェン)様作用を示した、との報告があったことから、環境省が大がかりな調査を行いました。その際、「環境ホルモン戦略計画SPEED’98:内分泌かく乱作用を有すると疑われる化学物質」に多くの可塑剤がリストアップされました。その後、2003年6月に環境省は9種類の可塑剤について、女性ホルモン様作用だけでなく、男性ホルモン様作用や甲状腺ホルモン様作用まで詳細に試験を行い、ヒトにも生態系にも内分泌かく乱作用が認められない(環境ホルモンではない)とする研究結果を発表しています。<日本プラスチック工業連盟「安全性についてのQ&A」より抜粋>1201,0002,0003,0004,0005,0006,0007,0008,0009,000H29H27H25H23H21H19H17H15H13H11H9■ダイオキシン類の排出総量の推移排出量 (g-TEQ/年) 出典:環境省「ダイオキシン類の排出総量の推移」を基に作成(年)5

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