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静電気発生の仕組み

静電気の特性

静電気には磁石と同じようにプラスに帯電したものとマイナスに帯電したものは引き合う性質があり、反対に同じ極性に帯電したもの同士は反発し合う性質があります。この性質によって静電気を帯びたものがゴミを引き寄せたり、フィルム同士が貼りついてなかなか剥がせないといった現象が引き起こされます。

また静電気は電圧が高く、電流量が少ないという特性から「放電」という現象を引き起こします。それがドアノブやエレベーターのボタンなどに触れる際に人に溜まった静電気がパチッとする原因になります。

静電気による障害例

放電現象 日常生活のバチッ
爆発・火災(点火源)
電子部品の破壊・損傷
電子機器の誤動作
力学現象 ゴミ・ホコリの吸着
紙の不ぞろい
塗装ムラ

静電気の発生原因

静電気とは、物体の持つ電荷が不釣り合いの状態、またそれによって引き起こされる現象の事を指します。下の図(左側の絵)のように物体はプラスの電荷とマイナスの電荷が釣り合っている状態にありますが、この電気的な釣り合いの状態が崩れることで帯電します。プラス、マイナスのどちらが多いかによってプラス帯電、マイナス帯電になります。

静電気の発生原因(帯電は原子構造の電子の授受により起こる)

静電気の発生メカニズム

この電気的な不釣り合いな状態を引き起こす原因のほとんどは物質の「接触」と「剥離」です。
静電気の発生モードについては以下に詳しく説明致します。

剥離帯電

二つの物体が接触した際に電荷が移動し、剥離によってそれぞれがプラスとマイナスの静電気を帯びる現象。
身近な例としては冬場セーターを脱いだり、フィルムを剥がしたときに静電気が起きることがこの剥離帯電と呼ばれる現象です。

摩擦帯電

二つの物体を擦り合わせる摩擦によって静電気が起きる現象。「接触」と「剥離」を繰り返すことで電荷が移動し、剥離帯電と同様に剥離によってそれぞれがプラスとマイナスの帯電が起きます。
身近な例としては下敷きを擦り合わせた際に起きる静電気が摩擦帯電と呼ばれる現象です。

帯電列

静電気は繊維、プラスチックのみならず金属などのあらゆる物質で発生します。物質によってプラスに帯電しやすいもの、マイナスに帯電しやすいものがあります。それぞれの極性に帯電しやすい物質の順番を示したものを「帯電列」といいます。帯電列の中の2つの物質をこすり合わせたとき、プラス側のものがプラスに、マイナス側のものがマイナスに帯電しやすいということになります。発生する静電気は2つの物質が列の中で離れているほど大きいことが分かっています。ただし、帯電列が近くても静電気は発生します。また、同じ物質同士を摩擦した場合でも必ず片方がプラス、片方がマイナスに帯電します。

帯電列

静電気対策 技術紹介